抗リン脂質抗体症候群は特定疾患のひとつですが、あまり知られないない難病です。
この病気は妊娠しても習慣的に流産してしまうというものです。それでも、出産を諦めないで!
抗リン脂質抗体症候群という病気は自己免疫疾患の一つです。自己免疫疾患というのは、本来、体の中で異物とされる細菌やウィルス、腫瘍などを認識し排除するための役割を果している免疫系が自分自身の正常な細胞などに過剰に反応して攻撃をしてしまい、それが原因で症状を起こす病気のことを言います。多くの自己免疫疾患の患者は女性が多いといわれています。ホルモンの関与も論じられていますが、科学的に明らかになってはいません。この抗リン脂質抗体症候群は自己抗体ができることにより、血液が固まりやすくなるという病気です。そのために血管が詰まる、血栓症を起こしやすくなり、動脈塞栓や静脈塞栓を繰り返してしまいます。特に、若い人が脳梗塞を発症したり、習慣的に流産を繰り返してしまう原因としても考えられています。ただ、流産しやすい=抗リン脂質抗体症候群というわけではありません。
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抗リン脂質抗体症候群だからといって、妊娠できない、しにくいというわけではありません。全身の血液が固まりやすいというこの病気の症状は、母親と胎児をつなぐ胎盤にも大きな影響を及ぼします。知られているように、胎児は母親の胎盤を通して、血液から栄養を受け取っています。胎盤の血管が詰まってしまえば、赤ちゃんへの栄養は行かなくなり、流産してしまうことになるのです。抗リン脂質抗体症候群である女性が妊娠した場合はアスピリンという、血管を拡張させる薬を服用し流産を防ぐことになるようです。ハイリスクな出産になりますが、女優の間下このみさんもこの病気と戦いながら、無事に健康な女児を帝王切開で出産していらっしゃいます。わが子を胸に抱くその日を諦めずに頑張れば、神様はきっと味方してくれるのですね。
抗リン脂質抗体症候群はまだ治療も確立されていない難病です。原因もわかってはいませんし、遺伝が関係しているという報告もありません。この病気を患っている日本人は、1998年の調査では4000人と報告されていますが、それより多いことが予想されます。この病気の約半数の人が全身性エリテマトーデスを合併しています。根本的にこの病気を治す治療は確立されてはいませんが、血管に血栓を作らないようにすることを心がけることが治療のひとつといえます。まず日常生活において禁煙はもちろん、食事など見直し高血圧や高脂血症の改善をはかります。そのほかに、経口避妊薬(ピル)の服用中止なども必要です。急性に動静脈血栓症の症状が起こった場合に対しては、通常の血栓症の治療と同じく。ウロキナーゼやヘパリンを使い抗凝固療法を行います。慢性期にはアスピリンなどの服用で血栓症の再発予防をすることになります。
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